空手の型、別の分解 | 身体操作

空手の型、別の分解 | 身体操作

空手の技について、

見た目、基本に忠実に行うことも大切ですが、

見えないところに

ひと手間かけているのが、

沖縄の空手です。

昔の沖縄の空手には、

型における技の解釈があったとともに、

身体操作における用法もあったということです。

 

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空手、分解に隠されたひと手間とは

現在は、空手の稽古の中で、

沖縄空手のような

特別な身体操作を行っている道場は、

数少ないのではないでしょうか。

付属で補強、体幹やバランス感覚を養う

トレーニングを行っている道場は

数多くありますが。

本土には、

型は教えても、手は教えるな』、

というくらい閉鎖的でした。

よく言われることに、

型は、そのままでは型にならず、

あることを解読しないと

使い物にならないと言われています。

型を行う上で、工夫を凝らして、

同じ技に違う意味を持たせました。

本来の技はこういった意味があるが、

本土にはこの意味で教えるということです。

それが口伝によるものであったので、

沖縄でも

やっかいなことになっているのではないでしょうか。

覚えている人が少ないですから(笑)

また、

技の意味を解く分解は、

技だけではなく、

表裏一体にある

身体操作を忘れてはいけません。

技を仕掛けるときに身体操作の工夫をし、

さらに威力を増したそうです。

その工夫はいろいろあり、

代表的なものが、3つあります。

 

空手の身体操作1 ガマク

部分的には丹田(へそ下三寸あたりの部分)

を中心とした腰回りを指しますが、

主に腰のわきから横腹にかけての

柔らかい筋肉の部分を言います。

腸腰筋がそれに近い部分でしょうか。

その部分を縮めたり、伸ばしたりすることによって、

丹田に溜まっている力を変化させます。

そうすることで、

姿勢を崩さず、

威力のある攻撃が可能になります。

実際に体感してみましょう。

  1. 足を肩幅より広い位置で立ってみてください
  2. 頭の位置、姿勢は変えずに右足を上げてください

どうでしょうか。

2を意識すると『不安定』で

足を上げていられません。

また、

左足に重心をかけると、

頭の位置がぶれてしまいます。

 

gamaku

 

次に、

図のように右手を壁につけて、

姿勢が変わらないように右足を上げてみてください。

右のわき腹が、キュッと締まると思います。

この状態を

ガマクを入れる

と言います。

例えば、

右の前蹴りを出すときに、

左足に全体重かけ蹴ろうをすると、

相手に「蹴るぞ!」

と言わんばかりで悟られてしまいます。

ガマクを入れた蹴りでは、

姿勢は変わらないので、

相手に悟られにくいです。

また、

伸縮したわき腹を

素早く伸ばすことにより、

蹴りの威力が増すことになります。

このようにして、

昔の沖縄の空手家は、

歩きながらでも姿勢を崩さず、

相手に悟られず、

蹴りを放ったそうです。

不安定』の中に

安定』を作り上げ、

次の動作にも有利な姿勢を作り上げます。

 

chouyoukin
yahoo.co.jp

 

『剛柔流尚誠館 伝統技法 No.06 ガマク』
(剛柔流尚誠館 Gojuryu Shoseikan)

 

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空手の身体操作2 チンクチ

広背筋あたりの筋肉と関節を

強く、硬く引き締める動きを指します。

一寸力

と書くそうで、

少しの力でも、最大限の効果を

発揮することを意味します。

また、

頚椎、胸椎、腸腰筋周りにも

及ぶ操作法も存在します。

身体の力を足を起点として

チンクチに伝え、

肩、肘を通り、拳を放つまでに

行う一連の作業を

チンクチを掛ける

と言います。

肩や肘には力を入れないことがポイントです。

少し語弊がるかもしれませんが、

本土の空手で、

唯一チンクチを掛けた

正拳突きを行っていた人物がいました。

伝統派ではなく、

極真会館 故.大山倍達総裁でした。

極真空手創成期、

ある高弟が、

「あんな突き方してちゃ、

肩がおかしくなっちゃうだろう。

あれは、先生にしかできない突きだよ。」

のようなことを言っていたそうです。

実際は、

肩に力は入っていないと思います。

足から放った力が、

広背筋や肩甲骨あたりに力を入れ、

その力を一気に拳に移動させ

爆発的に放ちます。

これを力の三合点(力)と

ご本人も表現しています。

チンクチを使った型では、

三戦(サンチン)』があります。

 

gamaku02
yahoo.co.jp

 
『剛柔流尚誠館 伝統技法 No.03 一寸力(チンクチ)』
(剛柔流尚誠館 Gojuryu Shoseikan)

空手の身体操作3 ムチミ

鞭のように体を使い、

硬くしたり締めたりせず、

脱力によって威力を発揮する攻撃法です。

『鞭身』と書きます。

突きや蹴りを放つときに、

筋肉を使って力を入れるより、

身体の中心、胴体部分や

骨盤を振ることによって、

直線的な攻撃でも、

鞭をふるったようなしなる打撃となって、

より威力を発揮します。

これを

ムチミを掛ける

と言います。

掛けた拳は、

ボールを投げるように放つことによって、

より伸びのある早い突きが生まれます。

 

『少林寺流空手道錬心舘の神髄 ~ムチ身編~』
(今井道場少林寺流空手道錬心舘)

結論・まとめ

  • ガマク  丹田を中心として腰から横腹にかけての筋肉の伸縮
  • チンクチ 広背筋群の固め、締めにおける一連の身体操作
  • ムチミ  脱力、遠心力による加速の操作

本来は、

それぞれ組み合わせて、

より効果的に使用します。

どの身体操作も

インナーマッスル(深層筋)

に関連してきます。

バランスや体幹を鍛える方法を取り入れ、

結果を出していることから、

ここ数年は重要視されてきましたが、

まだまだアウターマッスルを優先した

トレーニングが中心です。

沖縄の空手は、

現代のスポーツや格闘技に比べて、

勝るとも劣らない長所を備えた、

素晴らしい武道です。