空手 | 型(形)の動画で十八手の動作の違いを見る
- 2017.07.10
- 空手 形(型)

前回の『五十四歩』
に続いて、
今回は、私が大好きな型(形)の一つ、
『十八手』の違いを見てみましょう。
私は主に極真系の道場で稽古をさせていただきましたが、
子供の頃、一時期、伝統派を学んだことがありました。
父親が『剛柔流』の黒帯だったので、
幼少の頃から手ほどきを受けていました。
また、
私も道場に入門し、
少年部ですが、初段をいただきました。
そんな時に習ったセーパイですが、
今では忘却の彼方にあり、
思い出したのが、40過ぎて極真のセーパイを見た時でした。
もっとも、
記憶をたどってみたのですが、
少し(でもないですが)違うという事が印象的でした。
ちなみに高校から極真空手の道場に入門しましたが、
色帯の私は、セーパイを見たり、学んだりする機会はありませんでした。
さて、
極真系のセーパイと伝統派のセーパイはどのように違うのでしょうか?
空手 型 | セーパイとはどのような型(形)でしょうか?
極真と伝統の違いの前に、
そもそもセーパイとはどのような型なのでしょうか?
セーパイの由来は?
前回の五十四歩は、読み方が色々ありましたが、
『十八手』または『十八』は、
『セーパイ』とか『セイパイ』と読むため、
あまり紛らわしくありません。
ここでは、『セーパイ』とさせていただきます。
また、ここでは型(形)も今回は『型』に統一します。
セーパイは、『那覇手』の型ですが、
流派によってはないところもあり、系譜は不明です。
読み方で、五十四歩のような紛らわしさがないのは、
北京語で『シーパー』に近い発音をするからでしょうか?
また、下記のようなことが記されています。
空手の型の中で柔の要素が強く、発祥が南部の黄河流域ではなく、
北方や西方の砂漠地帯であるとする説もあり、空手の型としては異彩である。
セーパイは、大陸から伝わったものが、原型を留めていると言われる。
セーパイの特徴とは?
『剛』の要素が強い空手の型の中で、
数少ない『柔』のイメージをもった型です。
もちろん、突き蹴りはありますが、
『逆技』、『投げ技』等を含んだ攻防一体の特徴があります。
また、
『円の動き』が一連の動きに緩急をつけ、
動作をスムーズに行う役割をしています。
この型は、
全日本空手道連盟の『剛柔流』の第一指定形とされています。
動画にみる極真と伝統派の型の違い | セーパイ
伝統のセーパイのほうが、
動きが複雑です。
極真系は、投げや逆技のあった元々のセーパイから、
打撃を中心とした型になっています。
空手 型 | 全空連第一指定形のセーパイ
全空連の第一指定形です。
『剛柔流「十八手」セーパイ』
(三 戦)
空手 型 | 剛柔流空手道国際明武館のセーパイ
明武館館長の八木明人氏の演武です。
『The Land of Karate Episode 5』
(okkb2011)
空手 型 | 糸東流のセーパイ
糸東流は、那覇手と首里手を合わせた流派です。
『Seipai 空手道 糸東流』
(Christian Kapps)
空手 型 | 極真会館のセーパイ
分裂前の教則ビデオです。
『Kyokushin kata seipai ② 十八(セイパイ)』
(sakabaable)
極真系のセーパイはどの流派もほぼ同じです。
空手 型 | 極真のセーパイは伝統派となぜ違うのか、その由来は?
極真のセーパイは、
剛柔流のセーパイをもとにしていますが、
動作自体はかなりアレンジされています。
先にも述べましたが、
剛柔流のそれと比較して、
投げ、抑え、引き込みといった技がほとんどありません。
逆に、極真のセーパイは、
打撃中心に改変され、蹴りのバリエーションが多くなっています。
ほぼ、極真空手のオリジナルと言って過言ではないと思います。
では、
その由来はどこからきているのでしょうか?
極真空手の創始者、
『大山倍達』総裁によるものと想像できますが、
昔の著書によると、
『曹七大師』という僧侶に手ほどきを受けたとのことです。
著作は忘れましたが、
セーパイ(十八手)という技を学んだと記載されていたと思います。
実は、この曹七大師という方は、
大山総裁の剛柔流での実質の師匠にあたる、
『曹寧柱(そうねいちゅう)』という空手家です。
また、剛柔流の大家、山口剛玄翁の側近としても知られています。
何故、大山総裁が、曹寧柱ではなく、
曹七大師として、物語風に脚色したかはわかりませんが、
何か思い入れがあり、
極真空手をイメージするうえで、良しとしたのかも知れません。
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